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【閲覧注意】ペット業界の最大の闇『パピーミル』

【閲覧注意】ペット業界の最大の闇『パピーミル』

日本人がペットを飼いたいと思った時、ペットショップで買うことを想像するのではないでしょうか?

ショーケースに可愛い子犬が並ぶ様子は誰でも一度は見たことがあるでしょう。

しかし、犬や猫をショーケースに入れて、展示販売をするのは、海外の方から見れば不思議な光景だそうです。

海外では、ペットショップで生態販売はせず、ペットフードなどの犬用品を購入する場所として営業しているそうです。

犬や猫はブリーダーさんから直接購入するのが一般的で、日本とは流通からシステムが異なります。

日本独自のペット業界ですが、この販売形態の弊害というものもあります。

それが、今回ご紹介する『パピーミル』です。

【参考記事】子犬工場の虐待容疑、再び不起訴

https://www.fukuishimbun.co.jp/articles/-/960726

パピーミルとは?

パピーミルとは『子犬の工場』という意味です。

つまり、お金儲けのためだけに子犬を繁殖させる悪質な業者のことを指します。

その時代の人気の犬種を取り扱い、利益を得るために犬をあくまで商品として無理な繁殖を行います。

雌犬は子犬を出産するための『道具』として扱われ、生まれた子犬はどんどん『出荷』されます。

用済みの犬を保健所へ

パピーミル業者は、子犬が産めなくなった雌犬、売れ残った犬を保健所へ連れていき、里親が見つからなかった犬は『殺処分』されます。

オークションへ出荷

パピーミルで産まれた子犬は、パピーミルと直接契約しているペットショップに並ぶことがほとんどです。

しかし、一部の犬は、ペットオークションというものに連れていかれます。

子犬たちが段ボールに詰め込まれ、様々な店舗から集まったバイヤーが野菜や魚のように競り落としていきます。

オークション会場集められた犬の中には、健康な犬もいれば、寄生虫や感染症にかかってる犬もいるでしょう。

しかし、子犬の健康を守るための措置も無く、見知らぬ場所に連れてられて怯える子犬に与えるストレスも考えてくれません。

ペットオークションは売る側も買う側も子犬をただの商品としか見ていないのでしょう。

パピーミルの弊害

パピーミルで産まれた子犬たちは1番売れる幼齢期にペットショップへ送られます。

幼く新しい子犬が安い価格で売られているのは消費者にとっては魅力的に写るでしょう。

しかし、劣悪な環境のパピーミルで産まれ育った子犬を購入することによる弊害もあります。

栄養状態、衛生状態が悪かったことにより病気がちに

利益だけを優先したパピーミルは、犬のお世話をするスタッフの人件費や、栄養のあるフードを買う経費を削っていますので、栄養状態も衛生状態も悪いです。

不衛生な環境で育つ子犬のお腹には寄生虫がいたり、栄養不足から骨格不形成で育ったりします。

また、親犬の健康状態が悪いと子犬も病気になりやすい傾向があります。

そして、親犬の遺伝病など考えずに繁殖するほで、遺伝性の疾患がある子犬が産まれてきますし、毛色や体格も、その犬種のスタンダードと外れてきます。

社会科不足の犬が流通してしまう

これはパピーミルに限った話ではありませんが、ブリーダーやペットショップでは、幼い子犬ほどよく売れるので、早い時期から子犬を売りに出します。

しかし、幼い頃に親から引き離された子犬は、母犬の母乳から栄養や免疫がもらえず、病弱に育ってしまう可能性もあります。

また、親犬や兄弟犬と離れることにより、犬同士でのコミュニケーションの機会が減ってしまい、社会化出来なくなってしまいます。

子犬は親兄弟とじゃれて遊びながら様々な事を学びます。

噛んだり噛まれたりして力加減も学んだり、音や感触や痛みを覚えたりします。

充分に社会化できていないと、極端に警戒心が強くなったり、噛みついたりと問題行動を起こすようになり、非常に飼いにくい犬になってしまいます。

ペットショップで可愛さに釣られて勢いで買ってしまうという飼い主さんもいるでしょう。

しかし、飼育の経験や知識がない飼い主さんには、最後まで面倒を見るということのハードルが高くなってしまいます。

ブリーダーとパピーミルの違い

ブリーダーとは、パピーミル的な数ばかり増やす事に重きを置く考え方ではなく、より良い個体種を生み出すことを使命とする繁殖家のことを指します。

大前提、愛犬家であり、繁殖する犬種に深い愛情と知識を持ち、その犬種を知ってもらうようにしっかりと説明するのが良質なブリーダーです。

良質なブリーダーは、犬種のスタンダードや血統、毛色を考え、より良い環境で犬を育てます。

また、犬種の流行りに左右されず、専門の犬種のために日々勉強を重ね、産まれた子犬を健康に社会的に育ててくれます。

しかし、ブリーダーの中にもパピーミル的な、流行に乗って乱繁殖を繰り返し、劣悪な環境で飼育している悪徳ブリーダーは存在します。

これは、パピーミルと同様、業界の闇と言えるでしょう。

そのような悪質な業者は排除し、動物福祉が考えられた社会にするには、消費者が厳しい目と正しい知識を持つことが必要ですね。

パピーミルに加担しないためにできること

これから子犬を迎える方にお願いがあります。それは「パピーミル育ちの犬を買わない」ことです。

今までの環境とその犬の将来を考えると手を差し伸べてあげたくなりますが、その助けによってパピーミル業者に利益が回ることになってしまいます。

需要があるからパピーミルのような業者が生まれます。

パピーミルのような業者がいる間は不幸になる犬が増えていきます。

犬が不幸にならないためにも、「パピーミル業者から購入しない」「良質なブリーダーから購入する」という選択をする飼い主さんが増えて欲しいと思います。

そのために誰でもできることがあります。

どこで産まれた犬を聞く

ペットショップなどで子犬を購入する時、その子犬の産まれた場所を聞いてみてください。

犬の産まれた場所が曖昧な場合は、パピーミルで産まれてペットオークション経由で送られてきた犬かもしれません。

月齢を確認する

「動物愛護法」により、2013年9月からは生後56日を経過していない子犬は展示、販売、引き渡しが禁止になりました。

つまり、生後56日を経過していないと子犬は購入(仕入れ)も販売もできないはずなのです。

これよりも幼い子犬が販売されているなら、その店は法律に違反しているということになるので、悪質なお店、パピーミルに加担しているお店である可能性が高くなります。

悪質なペットショップでは購入しない

悪品お店で犬を購入しないというのも、パピーミルに加担しない方法です。

悪質業者というのは、子犬が売れる時期を過ぎると保健所などで殺処分をしてしまうところもありますが、そこに同情してしまうと悪質業者は減りません。

新しく犬を迎えるなら、大量生産、大量消費、大量処分を行うようなペットショップではなく、良質なブリーダーさんから購入する、保護犬を引き取るなどの他の選択肢も検討してください。

ブリーダーさんから購入すれば良質な子犬を迎えることができるでしょうし、保護犬であれば恵まれない境遇で育った犬を幸せにするという社会的意義もあります。

もし、新しく犬を迎えられることを考えられた場合はそのような選択肢もぜひご検討ください。

まとめ

今回は、命を売り買いするペット業界の最大の闇とも言えるパピーミルの実態をご紹介しました。

海外ではペットを守る「ペットポリス」という組織があります。

その名の通り、ペットのための警察ということで、悪質な飼い主やペット業者から動物を守るための役割を担っています。

民間から通報が入るようになっているので、ペットに関わる人が悪いことをしないための抑止力となっています。

しかし、現在の日本では悪質業者からペットを購入しないという消極的な働きかけしかできません。

残念ながら、パピーミルをはじめとして、悪質なブリーダーやペットショップは存在します。

だからこそ我々が、ペット業者が正しく動物に接しているかを考え、正しい知識を持って行動する必要があると思います。

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