犬の散歩をする時の注意点!初めてのお散歩からしつけ方法まで【網羅版】
目次

お散歩は犬にとって大切な時間です。
運動、社会勉強、コミュニケーション。犬にとってお散歩は色々な意味があるのです。
今回は、犬を飼っている方にも、これから犬を迎えようと考えている方も、愛犬家なら知っておくべき犬の散歩についてご説明します!
犬の散歩の必要性
運動
お散歩をすることにより、愛犬の運動不足を解消することができます。
室内飼いをしていると運動不足になってしまい、愛犬にストレスが溜まったり、肥満からくる健康リスクにも繋がります。
外の世界を学ぶ
ずっと家の中にいると、毎日同じことの繰り返しであまり刺激がありません。
お散歩に行くことによって、日光を浴びたり、外の色々な音を聞いたり、知らない人や犬と会うなど、色々な経験をすることによります。
犬は知らない事に恐怖を感じますので、色々な経験をさせることにより、無駄に恐怖を感じることが減り、愛犬のストレスも軽減されます。
その結果、色々な経験をしている犬は社会性が身につき、インターフォンの音や知らない人や犬に対して興奮して吠えたりすることも減ります。
飼い主さんとのコミュニケーション
チワワやトイプードルなどの小型犬は、家の中を走り回るだけでも運動量は足りますが、犬の散歩にはコミュニケーションとしての面があります。
お仕事などで忙しく、愛犬を構ってあげる時間が充分に取れていないという飼い主さんも多いのではないでしょうか?
そんな中でも、お散歩を通して飼い主さんとワンツーマンでコミュニケーションを取ることができます。
そして、こまめにお散歩に行っていると、少しの変化に気づく時があります。
『ちょっと落ち着いて来たな』『歩くスピードが落ちてきたな』など感じることもあるでしょう。
お散歩は愛犬の心の成長や体調の変化を感じ取ることにも役立ちます。

子犬の初めてのお散歩
子犬をお迎えしてから、初めてのお散歩はいつから始めるべきでしょうか?
まず、ワクチン摂取が完了しているかです。外の世界では犬や猫を媒介して感染するウイルスや寄生虫が沢山存在します。
そのようなウイルスが体内に入ると、免疫の弱い子犬は耐えることが出来ず、死んでしまうかもしれません。
初めてのお散歩は必ず、ワクチン摂取が終わってからにしましょう。
ですが、子犬のワクチン摂取が終わるのは生後14週頃になると思います。
実は、犬は3週〜12週に社会化期を迎えます。
社会化期にどんな経験をするかでその一生が決まると言われるほど大切な時期なので、この時期に様々な経験をされる事は犬にとっては非常に今のあることなのです。
愛犬に早くから外の世界を見せるという意味で、例外ですが、『抱っこ散歩』という、飼い主さんが愛犬を抱っこしたままのお散歩は、ウイルスの感染源となる他の犬や電柱などにも近づきませんので問題ありません。
早く外の世界を見せることは子犬の社会化にとって大切なことです。
他の犬との接触や草むらに入ったりしなければ感染症リスクは低いので安心です。
お散歩デビュー
生まれて初めてのお散歩は愛犬にとって経験したことのないことばかりです。
首輪をつけるのも初めて、知らない道や知らない音、こんなことが沢山起こるのですから、怖がるのも無理ありません。
お散歩デビューは愛犬のペースに合わせて、短時間でも構いません。
お散歩に慣れるペースは犬によって差があります。
最初は歩くことすら出来ず、その場で固まってしまう子も多いですが、何度も外に出ている間に徐々に慣れてきますので、気長に愛犬の成長を楽しんでください。
お散歩デビュー前の準備
お散歩デビューの当日までに、首輪やリードに慣れさせておくということをしてみましょう。
子犬を迎えて1週間〜10日程で環境に慣れてきますので、その頃から家の中で、徐々に首輪やリードをつけて歩く練習をしましょう。
また、抱っこ散歩で外の世界を見せておいてあげましょう。
何もかも初めての状態でお散歩に出るより、色々な準備をしてからお散歩デビューを迎えるほうが愛犬の精神的負担も少なくて済みます。
最初は家の周りから
お散歩をさせる時、初めは家の周りを回るだけの短時間で構いません。
お散歩させながら、おやつやフードを与えることで、外に出ると良いことがあると認識してくれます。
飼い主さんは焦らず、最初は家の周りから初めて、徐々に範囲を広く、時間を長くしていきましょう。
お散歩デビューの注意点
お散歩に慣れるまで、愛犬は怖がって上手く歩けないことがあります。
その場で止まってしまったりしても、無理に引っ張ったりしないようにしましょう。
お散歩に慣れるまでのペースは犬によって差があります。
自分の愛犬が上手く歩けないからといって怒ったり、無理に歩かせようとすると、お散歩することや首輪を付けることに恐怖心を抱いてしまいます。
もし、愛犬が上手く歩けなくなった場合は、おやつやフードなどで誘導してみてください。
それでも歩けない場合は無理せずに抱っこしてあげましょう。
繰り返しになりますが、散歩に慣れるまでの時間は犬によって差があります。
初日から歩ける犬もいれば、数ヶ月かかる犬もいるかもしれませんが、愛犬のペースに合わせて徐々に、少しずつ慣れさせてあげてください。
散歩の時間や距離はどれくらい?
飼い主さんからよく『お散歩は何分くらいにしたらいいのか?』というご質問を頂くのですが、これは犬によります。
コーギーなどの牧羊犬は吠える、追いかける、自分で考えて行動するという習性があるので、少し大変かもしれません。
目安として、大型犬や中型犬は1回30分以上のコースを1日2回、小型犬なら10分〜15分くらいのコースを1日2回と言われています。
しかし、体の大きさや体力によって必要とする運動量も変わってきますし、運動量についても同じ犬種でも体の大きさは個体差がありますので、変わってきます。
では、飼い主さんはどのように散歩の時間を決めるのかということですが、愛犬の様子を観察してみてください。
お散歩に充分満足した場合は、ウトウトしたり、のんびりできていたり、疲れていたり、様子が伝わると思います。
反対に、お散歩に充分満足できないと、いつまでも元気です。この場合、家に帰ってからも遊んで欲しいとせがんでくるでしょう。
ここで注意が必要なのは、帰り道も含めた距離の計算です。
お散歩に慣れて、ルートが決まるまではぼーっと歩くこともあると思いますが、愛犬の体力に対しての歩く距離が長すぎると、愛犬がクタクタになった後で帰ることになります。
愛犬の様子をしっかり見て、場合によっては休憩を取りながら、適切な運動量でお散歩を楽しんでください。

お散歩のしつけ
愛犬の安全を守るため、他の人や犬、周辺の住宅への配慮のためにもお散歩のしつけは大切です。
お散歩をしている時に、リードを引っ張って自分本位に歩いたり、周りに向かって吠えたりすると、飼い主さんは大変ですよね。
犬は動いているモノを追いかけたがり、自転車や風で飛ばされているゴミなどにも過剰に反応します。
元気な犬に引っ張り回されては飼い主さんの体がいくつあってもありません。
お散歩が上手にできるようになると、病院にいったり、お出かけする際にも役に立ちます。
子犬の頃からお散歩のしつけをするようにしましょう。
基本的に、お散歩は飼い主さん主導で行ってください。
犬の行きたい所へ飼い主さんが付いていくというのは家庭内での順位付けが崩れる可能性があります。
飼い主さんが歩くペースに愛犬が合わせるようにし、ペースが崩れたら歩くのを止める、愛犬が止まれば褒める、再度歩き出すという流れを繰り返してください。
これをリーダーウォークといいます。
ただし、公園などの広くて安全な場所であればリードを緩めて自由に動ける時間を作ってあげても構いません。
厳しくする部分と自由に楽しませる部分を使い分け、オンオフのメリハリをつけてお散歩をしましょう。
また、お散歩中に他の人や犬に吠えないようにしましょう。
犬が苦手な人もいますし、犬同士のトラブルを避けることは大切です。
吠える対象の人や犬が近づいてきたら、愛犬を座らせる、おやつで気をそらす、歩いてきた道を引き返す、などが有効です。
気候や天候について
雨の日や雪の日、気温が高い日は無理にお散歩に連れていく必要はないと思います。
ただし、中型犬や大型犬など、運動量が必要な犬種の場合は、飼い主さんも愛犬も体調を崩さないように注意した上でお散歩をさせてあげるほうが良いかもしれません。
雨や雪が降っていると見渡しが悪く、自転車や車などと交通事故に巻き込まれないように注意してあげてください。
また、体が濡れた場合は、帰宅後にしっかり乾かしてあげましょう。
気温が高い日のお散歩は熱中症に気をつけましょう。
特に、チワワやパグ、フレンチブルドッグなどの短頭種は熱中症リスクが高いので要注意。
なるべく早朝や夜中など、涼しい時間帯を選び、休憩しながら無理をしないようにお散歩しましょう。
暑い日はお水を持っていって、お散歩の合間に水分補給をさせてあげてください。
また、暑い日も寒い日も共通して、家の中と外の気温差がある場合は、外に出る前に玄関口で外の気温に体を慣らしてあげると良いでしょう。
お散歩に必要な道具
首輪orハーネス
首輪は首に付ける物、ハーネスは胴体に付ける物で、リードを付けるためには必須の物です。
お散歩の途中で首輪が抜けるなどのトラブルが起きないように、サイズ調整をしてあげてください。
首輪、ハーネス共に良い点、悪い点があるので、愛犬にあった物を選ぶようにしておいてください。
リード
日本では条例があり、リード無しでの犬の散歩は認められていません。
愛犬がいきなり車道に飛び出して交通事故にあったり、他の人や犬を襲ってしまうと大きな責任問題となります。
愛犬を守るため、周りに迷惑をかけないためにもリードは必ず付けましょう。
トイレ掃除用品
お散歩中にウンチをした場合、必ず持ち帰りましょう。
ウンチを拭くためのウェットシーツやスコップ、ゴミ袋などをまとめた『お散歩バッグ』を持って行くと良いでしょう。
水
熱中症や脱水を防ぐためにも、お散歩中の水分補給は大切です。
また、水があると外でしたおしっこを流すために使えます。
愛犬が、路上や電信柱におしっこをかけてしまった場合は必ず流すのがエチケットです。

犬の散歩で法律違反!?
あまり知られていませんが、日本には、犬の散歩に関わる法律や条例で定められたルールがたくさんあります。
人や財産(家・土地)に危害を加えてはいけないという『動物愛護管理法』やリード無しでの散歩を感じる条例などが代表的です。
知らない間に法律や条例に違反しないよう、散歩をする際に気をつけるべきことをご紹介します。
- 公共の場を汚さない
- 糞尿の放置は違反
- 過度な鳴き声は違反
- 管理、制御ができないほど多頭で散歩をしない
- 自転車で散歩しない
- 犬の突発的な行動に対応できるように配慮する
- ながらスマホなど、散歩中はよそ見をしない
長期不在の時のペットシッターという選択肢
旅行や出張などで家を長期不在にする時、ペットホテルに預けるという方は多いと思いますが、ペットホテルに預けることにより愛犬にストレスをかけてしまう場合もありますよね。
最近では、長期不在の際に飼い主さんに代わって愛犬のお世話をするペットシッターという選択肢があります。
ペットシッターにお世話を任せることにより、愛犬は我が家でお留守番できるので、ストレスが少なくて済みます。
海外ではベビーシッターやペットシッターなどの代行サービスはメジャーですが、日本ではあまり普及していません。
自宅に知らない人が出入りするということに抵抗がある方もおられるかもしれませんが、愛犬に負担が少なく、値段もペットホテルと変わらないサービスもありますので、新しい選択肢の一つとして試してみるのも良いかもしれません。
まとめ
犬の散歩が、飼い主や犬の健康寿命を延ばすという研究結果もあり、健康面でも効果があるのがお散歩です。
ですが、お散歩を通して運動をさせることばかりを考えるとついつい距離や時間などの『散歩の量』ばかりを考えてしまいがちですが、飼い主さんと愛犬のコミュニケーションとして考えると『散歩の質』というのも大切だとわかります。
家の中では経験できないこと、家の中ではわからなかったことを沢山学ばせてあげることにより、愛犬はどんどん成長します。
同じコースを淡々と歩くのではなく、お散歩を通して色々な発見があると愛犬も楽しんでくれるでしょう。
普段と違う愛犬の一面や、愛犬の成長がわかるのもお散歩の醍醐味ですよ。